競輪選手の練習風景のある開催地

自分の生まれ故郷の地元の競輪場は前橋競輪でした。
昔は屋外型の競輪場で、空っ風の吹く中の冬の開催は選手・観客泣かせのものでした。
そんな空っ風の上州路を競輪選手がロードトレーニングをしている姿をよく見かけました。
幼いころ、親の運転する車の助手席から薄着で寒い中を凄く太い太ももをした、とてもがっちりした体格の競輪選手が必死になって自転車を漕いでいます。
その姿を親は見て「あいつ(恐らく顔を見て選手名を知っていたと思われます。)は練習嫌いだったって評判だけど、A級落ちしたから必死になったんだろう。」とつぶやいていました。
自転車を漕ぐ速度と車の速度を合わせ、親が自転車に乗る競輪選手に「おい!がんばれよ!」と声をかけたこともありました。
その時の競輪選手が嬉しそうに手をあげて応えていたのを覚えています。
競輪好きな親がいたことで、そういった出来事も他の子どもよりもより多く経験したのかもしれません。
それから時が経ち、自分が車を運転するようになった時、早朝のまだ夜が明けきれていない時間に仕事で出掛けた時のことです。
まだ車の走行も少ない国道をなにやら見慣れぬ物体が走っています。
近づいてよく見ると、自転車になにかがついています。
目を凝らしてよく見てみると、自転車に長いロープに繋がれた古タイヤをつけて走る競輪選手を見かけました。
ただ走るだけでは力がつかないとみてか、古タイヤという負荷をかけてのロードトレーニングのようでした。
かなり昔の出来事なので、今ではそのような選手はいないとは思いますが、その当時でもさすがにビックリしました。
大きなタイヤの擦れる音と、走った後に拡がるタイヤの焼け焦げた匂いは今でもよく覚えています。
また、前橋競輪場周辺は平野部ですが、数十キロ走るとすぐ山間部に位置する上州なので、山を登る競輪選手もよく見かけました。
赤城山や榛名山などの山々を立ち漕ぎで息を切らしながら登っていく競輪選手の練習風景です。
この練習風景、一見なんでもないようですが、よく競輪選手の様子を見るとビックリします。
競輪選手が乗っている自転車にはブレーキがついていないのです。
(現在はこういったブレーキのない自転車や古タイヤをつけての公道走行は道路交通法違反なので、今ではそのような自転車でのトレーニングはないと思われます。)一般道でもそうですが、山へトレーニングへ行った際の下りはどうやって速度調節するのだろうといつも疑問に思っていました。
いつも昇りの選手ばかりみていたので、下りの選手がどうしていたのかは未だ不明のままです。
このような、競輪選手の練習風景は競輪開催地周辺では馴染みの風景でした。
最近ではあまり見かけなくなりました。